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DNAが遺伝情報の本体?

 一部のウィルスを除くほぼ全ての生物の遺伝情報は、DNA(デオキシリボ核酸、Deoxyribonucleic acid)により担われています。

 DNAはデオキシリボ—ス(五炭糖)とリン酸、塩基から構成されています。デオキシリボースとリン酸の部分は変わりませんが、塩基にはアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、チミン(T)の4種類があり、アデニン(A)とチミン(T)は側鎖を2つ持つためにその部分で水素結合でつながりペアを作ります。またグアニン(G)とシトシン(C)は側鎖を3つ持ち、3つの水素結合でペアを作ります。この4つの塩基がヒトにより並ぶ順番が異なり、それぞれの個性を作って行きます。


遺伝子の発現

CRIA00196S000001-RIA00196S000000000017~files~centraldogma_new.png

細胞内で、遺伝情報は主に、DNA→RNA→タンパク質という方向で合成が進みます。DNAのもつ遺伝情報がRNAやタンパク質に変換されることを遺伝子が発現するといい、DNAからRNAがつくられることを転写、RNAからタンパク質がつくられることを翻訳と呼びます。

このあらゆる生物において共通の情報の流れをセントラルドグマ(中心教義、基本的教理)と呼びます。ヒトを始め多くの生物においては、遺伝情報は、DNAからタンパク質へと一方的に伝搬され、逆はありません。しかし例外として一部のレトロウィルスでは、RNAを遺伝子として宿主細胞内でRNAをDNAの形にした後、セントラルドグマに従った情報の流れでタンパク質を合成します。また真核生物細胞では、転写後翻訳の前にスプライシングと呼ばれるRNA編集が行なわれることもあります。

転写とは?

転写とは、DNAの塩基を鋳型としてRNAをつくることをいいます。

DNAとRNAは糖と塩基が異なっています。RNAの糖はリボースで、塩基はアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)の4種類があります。細胞では、RNAは一本の鎖としてつくられます。

まず核内でRNAの合成が行なわれます。RNAポリメラーゼという酵素がDNAを鋳型にmRNA(メッセンジャーRNA)をつくります。

DNAには成熟mRNAでは切り取られるデータもあります。その配列(イントロン)を切り取って必要な配列(エキソン)だけの成熟mRNAになります。この過程をスプライシングと呼びます。

こうして完成したmRNAは、核から細胞質に運ばれます。

翻訳とは?

CRIA00196S000001-RIA00196S000000000017~files~figure2.bmp

RNA配列の情報を読んでアミノ酸を合成することを翻訳と呼びます。

スプライシングされた成熟mRNAは核から細胞質に出て、リボソームと結合します。

リボソームはその塩基配列に対応するアミノ酸をつないでいきます。

リボソームへアミノ酸を運ぶ役割を担うのはtRNA(トランスファーRNA)です。塩基3つでアミノ酸1つを指定することができます。この塩基3つの組合せをコドンと言います。

(ex)例えば、以下のようなmRNAの場合、

   mRNA   AUG GUU
   tRNA   UAC CAA
   アミノ酸    Met  Val

という対となるコドン(アンチコドン)がtRNAによって運ばれてきます。この2つのコドンからはメチオニン(Met)とバリン(Val)という2つのアミノ酸が合成されます。

アミノ酸がつながってできた鎖をポリペプチドと呼びます。ポリペプチド鎖にアミノ酸を1個ずつつなげていく反応を仲介するのは、リボソームの中にあるrRNA(リボソームRNA)です。

タンパク質の合成は開始コドン(AUG)で始まり、終止コドン(UAA, UAG, UGA)で終了します。

リボソームが終止コドンまで到達すると、完成したタンパク質の鎖はリボソームから離れます。

酵素

 酵素(Enzyme)とは、生体でおこる化学反応を仲立ちする分子です。

 酵素は生物が物質を消化する段階から吸収・輸送・代謝・排泄に至るまでのあらゆる過程に関与しており、生体が物質を変化させて利用するのに欠かせません。

 多くの酵素は生体内で作り出されるタンパク質からできています。そのため生体内での生成や分布、あるいは熱やpHにより変性し活性を失う(失活)といった特性などは、タンパク質と同様です。またそのタンパク質は、アミノ酸が多数重合(結合)してできています。

 生体を機関に例えるならば、DNA配列が表すゲノムが設計図に相当するのに対して、生体内における酵素は組み立て工具に相当します。酵素の特徴である作用する物質(基質)をえり好みする性質(基質特異性)と目的の反応だけを進行させる性質(反応選択性)などによって、生命維持に必要なさまざまな化学変化を起こさせます。

 また、人類は古来より発酵という形で酵素を利用してきました。そして今日では、酵素の利用は食品製造だけにとどまらず、化学工業製品の製造や日用品の機能向上など広い分野に応用されていいます。また医療においても、酵素量を検査して診断したり、酵素作用を調節する治療薬を用いるなど、酵素が深く関っています。

参考

・Essential 細胞生物学 原著第2版

・分子遺伝学 第3版

・フリー百科事典「ウィキペディア」

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