課題Aの測定方法

GenoCon2の課題Aで使用するベクター。デザインした500塩基のプロモータ配列が、ホタルの発光を触媒するルシフェラーゼ遺伝子を制御するしくみ。 (YY Yamamoto, In preparation)

ベクターについて

合成プロモータ配列は、ホタルの発光を触媒するルシフェラーゼを制御する系(yy449)に導入されます。この測定システムにおいては、シロイヌナズナの翻訳効率が最適化されていますので、課題Aでは転写制御にのみ集中してください。 このベクターは、35Sカリフラワーモザイクウイルスの最小プロモーター(46塩基)を含み、その中には遺伝子発現に必須なTATAボックス配列が含まれています。応募者は、46塩基より上流の配列(CAATボックス等を含む部分)をデザインして頂きます。この最小プロモーターは、それ自体では遺伝子発現に十分ではありませんが、天然由来の上流配列と組合せて、キメラのプロモーターを創るのに有効であることが示されています。 課題Aのベクターに最小プロモーターを残している理由は、下記の2つです。
(1)制御領域のデザインに500塩基長を効率的に利用できるようにするため
(2)転写開始点と転写産物のmRNA配列が各応募者で同一となることを保証するため

植物における形質転換

シロイヌナズナで異なるプロモータを利用し、ルシフェラーゼの発現を制御した例(組織特異的発現) (Yamamoto, Plant J 35: 273, 2003)。

応募者によってルシフェラーゼの発現を制御する様にデザインされたプロモータ配列は、理化学研究所で実験検証のために高等植物のシロイヌナズナに導入します。 シロイヌナズナへのプロモータ配列の導入は、アグロバクテリウムが植物へ感染し、DNA配列の一部を植物に導入する能力を利用します。その際、選択マーカーとしての抗生物質遺伝子や、コピー数を定量するための制限酵素サイトも一緒に導入します。目的の配列が導入されたシロイヌナズナにおいては、ルシフェラーゼ発現の様子を経時的に撮影し、画像データとします。この画像データを解析することで、複数のデザインを評価していきます。

画像データ解析

理研BASEで開発した画像解析技術を利用し、植物のどの部位でルシフェラーゼがどのくらい発現しているかを数値化します。例えば下の図では、ルシフェラーゼの測定ではありませんが、葉の中から通常の緑の部分、白化して枯れた部分、傷害によりアントシアニンが蓄積した部分を識別し、定量化しています。 同様に、ルシフェラーゼの発現においても、植物体の組織ごとに、かつ、成長段階ごとに発現値を測定することで、デザインしたプロモータの組織特異性や、時間制御能力、生理活性の評価を行ないます。

画像解析の流れのイメージ図。シロイヌナズナ(左)は、画像解析のアルゴリズムで3個体(赤、青、緑)が認識される(中央)。各組織の式差異と形状を利用し、それぞれの植物体が異なる部位(Leaf, Anthocyanins, Injurd)に分けられます(右)。本画像解析技術は、GenoCon2010で利用されました。